vsジジイ

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地元特化型なので、個人出版目的のジジイとか、そういうお客様はたまにいるんだ、弊社って。うち、印刷会社ね。

基本的に営業がお客様とのコミュニケーションを担当して、ウチらは作業に集中すべき構図なんだけど、ジジイってのは厄介でな、せっかちだから全部電話で、口頭で、説明しようとする。

そうなると、実際の作業者であり、その場で修正できる我々が直でコミュニケーションを強いられる場合がある。

女性が相手だからかタメ口で高圧的。カスだ。もうフェミニズム云々ではなく、相手を選んで高圧的な態度をとる人間は、例外なくカスである。それは男vs女の構図ではなく、事実として一旦飲み込んでいただきたい。こういうジジイは電話越しに声が若いと感じた男にも高圧的なので。

私はこの手のジジイを怪異と思っており、人間と思っていない。これは、世の理不尽な電話をうけるサポートセンター的な仕事をしている者に備わっている機能な気がするが、私というのは本来電話や接客をしない肩書きの人間であり、もっと気楽なものだ。

コツを教えよう

大声には大声を

圧には圧を

タメ口にはタメ口を

あと、クッソ低い声。これは私が女オタク特有の低音ボイスを極めてきた賜物ですね。

今のところ、これで全てを解決していると言っていいでしょう。

なんせ口頭で説明されたものをその場で完璧に直してあげているのだから、イニシアチブは全て元から私にあると言って良い。

私がやらなければ、ジジイがほしい印刷物はあがらないし、姑息なジジイは相手が自分より弱いと判断できなければ攻撃はしないのだ。クソが。電話とは声の印象が全てである。

まあまず、私はべつに社会人としては十二分に不適合者としていいくらい、名刺交換の正しい手順もまともに踏めたことがないし、上司を座らせる場所とかも気にしたことがない。そういうのしたくないからクリエイティブ系の仕事を選んでいるし、周囲の未婚・もしくは挙式しない率の高さや、家庭の終わりっぷりにより冠婚葬祭さえまず呼ばれないのである。あんまり素がよくない、面の皮が厚いアダルトチルドレンと思ってくれていい。

私の生存戦略は「諦めてもらう」ことだと確信している。完全に努力を放棄したというわけではなく、できないことを押し付けたり他責にするでもなく、単純な世渡りスキル(私自身の評価を左右する言動)のひとつである。

当然仕事のスキルアップは必然である。事実こなしてくうちに上達するものだから。

あくまで表に出ざるをえない時の、付け焼き刃の知識ではどうにもできないこの社交性、協調力のなさ、ビジネスマナーの失敗に関して、相手をナメてるわけでも非礼をするつもりも当然ないため、「慣れないもので」と注釈をつけつつ、丁寧な対応を心がけた時に、誠意だけは納得してもらえる。要するに正直なのだ。

正直でいれば「現状を受け入れてもらえる=その場での人物評価がもう下がらない状態」が成立しやすく、つまりコイツはどんな人間かと観察して“価値をジャッジするのを諦めてもらう”ということ、だと思っている。

結局、ビジネスマナーもそのうち覚えて、できることも増えている。ゆるやかな成長があるからこそ、私は悲観せず、焦るのをやめたという話である。己の長所はこのフラットさにあり。

思ったんだけど、自分が自他境界がハッキリしていて、他に無関心ゆえのフラットさを持っていて、本当の優しさからは遠いけど、表裏なく見える人間だから成立してる気もする。

友達や恋愛などの感情面で期待されて関わられると私の身勝手さに気づいた相手を苦しませるかもしれないけど、仕事上の初対面相手の印象操作とスムーズな会話にはかなり向いている可能性はある。と今思いました。余談。

で、このスキルを、ジジイに使うのだ。

※当たり前なのだが、電話に関してはある程度慣れているので普通のお客様には普通に丁寧に接している。はい、〇〇会社です。から始まり、担当者に代わりますので少々お待ちくださいませと保留で繋ぎ、不在であれば折り返しいたしますか?と聞き、電話番号と担当者名を復唱しながらメモし、折り返すよう申し伝えます、失礼いたします。と切る。以下はたまに失礼なジジイに当たった時の例であるというのは忘れないでほしい。

はい、お電話変わりました〜

あ、もしもし!?3ページのねえ!

スンマセン、メモするのと、ファイル開くんでちょっと待ってもらっていいですかね〜

あのねえ!3ページのねえ!

(無視)・・・あ、はい、開けた開けた。いま3ページのデータ見てますよ、何行目ですか〜?

10行目の〇〇を××にして!あと6ページの!

早い早いwwwwwちょっと、メモしないと修正できないからメモさせてくださいね、3ページ目の10行目のなにをなに?

遅い!💢

ヒャヒャヒャwwwwwwwwwwデザイナーだから電話慣れてないんです〜すいませんね〜間違えたくないからメモさせてくださいね〜で?3ページの10行目のどれですか?

ああ・・・そうなの?(不機嫌そうだけどだんだん機嫌は治ってこっちのペースに合わせるようになる)

メモ取らせてくださいね〜

こんなこともできないの?これだから若い人h

〇〇で××で▲▲ってことでいいっすかねえ!?間違えないことが一番大事っすよねえ〜!!!ハハハ!!!

ウワッ

こういう感じです。

まあ、そこまで攻撃的なのに当たったことはないのがデカいんですけど、せっかちで圧の強くて失礼なジジイにはこんな感じでデカい声で理屈を説明しながら笑い声とタメ口を混ぜて対応しておる。私としてはいくらカスの電話だろうが、本来の目的はお金をもらって物を納品する流れなわけで、仕事をちゃんとやるために必要な会話をしたいのであって、そこに愚直なのがよく分かると思う。とはいえ気に入らないことを言われれば相応に気分が悪いので、お前なんか別に怖くねえよという態度も取っておく。全部オープンにしているつもり。だから今のところうまくいってると思う。

思うにこういうジジイって、基本孤独を抱えてますよね。

弱きものを虐めるのもある種の子供返りに近い?

その我儘に負けない圧の強い私の態度は、たぶん母や姉妹といった、己が幼かった頃の家族を思い出すのか、元気な孫娘でも思い出すのか、逆に好感触という場合が多い。

私はクソみたいな電話を通じてジジイの孤独を救済しているのかもしれない。

同じジジイからまた冊子の制作で修正が入った時、「こないだのはきはき喋る姉ちゃん!」と通話相手を指名された程度には、救済しているかもしれない・・・。

まあ、この記事を通して言いたいのは、vsジジイ通話はまったく怖気付く必要などないということ。ガキ返りした孤独なジジイは、とにかく自分のペースに巻き込めばむしろ懐くということ。関係ない昔話が始まったら、うん、作業入っていい?と仕事の邪魔であると伝えること。それも通じないジジイは、ジジイの形すら保てない怪異なので担当者に代わります!!!!!!!と上司になすりつけること。

ジジイに、負けない。俺たちは・・・

最初に言った通り、大声には大声、圧には圧、タメ口にはタメ口です。通話相手は己の鏡。

私みたいにハハハ!とはしなくていいけど、鼻で笑われたら鼻で笑い返しながら自然な会話のラリーをするとよいでしょう。

ま、マニュアルがあるようなコールセンターとかには無理か!一般雑魚中小企業のデザイナー・エンジニアが対応しなくちゃいけなくなったBtoC案件の電話限定やね、ワハハ。

展示会でも対面でカスジジイに色々言われることはあるんだけども、それも相手が嫌味なら塩対応です。ある程度すれば「お名刺いただいていいですか」と無理やり会話を途中で切り上げます。セクハラ目的も秒で分かるのですぐに男性営業呼ぶスタンスです。いまだにビジネス展示会を優しく喋ってくれる姉ちゃんと接する無料キャバクラとして見てるカスジジイや、人当たりのよさそうな女性を泣かすためだけに嫌味な意地悪質問だけしてくるカスジジイがいらっしゃる。お前が立場を悪用してるだけなのに。駅のぶつかりおじさんとマジで変わらない。てかなんなの?一定数いるのもなんなの?こいつらにも家庭があるんだよな?奥さんや子供にもこうなの?

展示会の方がリアル人間すぎて相当ストレスたまってんだなって最後の愚痴ラッシュで自覚できました。カスジジイよ、短い老い先、人に優しくなれるといいね。

〜完〜